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活字の話

2014.11.03 21:01|編集・校正
  「東京活字組版」というWebサイトを見つけました。大正6年創業で現在も活字の鋳造・文選(『銀河鉄道の夜』の主人公・ジョバンニがしていた仕事として有名)・印刷・組版をしている有限会社佐々木活字店さんが運営されているようです。
 現在はパソコンによるDTP(デスクトップパブリッシング、もしくはデスクトッププリプレス)によるオフセット印刷が主流となっていますが、活字組版の文字は判子の原理で印刷しているので、文字の輪郭(マージナルゾーン)がくっきり出て、可読性に優れているそうです(長時間本を読んでも疲れにくい)。
 今となってはかえって贅沢な活字組版、機会があったら自分の名刺などを作りたいものです……!

 余談ですが、以前の記事で紹介した印刷博物館ではこの活字組版の体験ができます。
 ……ちなみに、印刷博物館を運営している「凸版印刷株式会社」の「凸版」がこの活字の印刷技法のこと。写真の印刷技術として有名で、今では写真ページの意味になってしまった「グラビア」は、凸版の逆の凹版だったりします。
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行間を読む?・⑧

2014.06.15 22:16|編集・校正
 よく迷う(とされる)「数字の表記」についてまとめました。
 縦組の数字と単位の表記法としては、主に以下の3つがあります。

 ①原則として漢数字を使用し、単位語はすべての単位語を使用する。十〔トンボジュウ〕方式。(例:二百三十四万五千六百七十八円)
 ②単位語は四桁ごとの単位語(万・億・兆など)のみ使用する。一〇〔イチマル〕方式。(例:二三四万五六七八円)
 本文での数字の列記や、表・図版などでは、すべての単位語を使用せず、三桁ごとに位取りを入れる表記にすることもある(例:二、三四五、六七八円)。本文では四桁ごとの単位語を使用するが、表や図版では位取りを入れるという使い分けも行われている。なお、単位語を使用して表記するときは、原則として位取りを入れない。「ゼロ・レイ」の表記には、「ゼロ」「零」「〇」「0」があるが、単独では〇や零を使わず、「ゼロ」を使用する。ただし「零敗」や「零墨」などの熟語では「零」を用いる。
 一〇方式の場合でも、二桁の数字に限って十を入れる折衷方式(十方式)もある。(例:平成二十一年十月二十五日)
 ③原則としてアラビア数字を使用し、単位語は万・億・兆などの四桁ごとの単位語を使用する。

 ①②の場合でも、以下のような例外があります。

 ①西暦、電話番号、銀行口座番号、振替口座番号、部屋番号、自動車のナンバープレート、列車番号などは、単位語と位取りを入れないで表記する。
 ②単位語を使用する方針の場合でも、数値の意識が強い緯度・経度、角度、標高、パーセント、統計の数値、身長・体重・血圧などでは、単位語を省くことが多い(千以上では位取りを入れることもある)。逆に、百・千の単位語を省く場合でも、きりのよい数値では単位語を用いる方針もある(ただし、きりのよい数値には単位語を用いる方針の場合でも、三桁、四桁の数字で一以上の数値を二つ以上含むときは、単位語を入れない。例:五〇〇〇円→五千円、五〇〇台→五百台 二千人 二五〇〇人 三百枚 三五〇枚)。きりのよい数値には単位語を用いる方針の場合、単位語が一をうけるときは、ふつう千、百、十には一を用いないが、千億、千万には一をつけて一千億、一千万とする。
 ③万・億・兆などの四桁ごとの単位語を使用する方針の場合、単位語の直後の位がゼロのときは通常ゼロを表示しない。ただし、株価など厳密な表示が必要なときは入れる。
 例) 一万三五〇円 一万〇三五〇円
 ④2​Bの鉛筆、A​5判、4の字固めなどは、漢数字を主に使用する方針の場合でも、アラビア数字で表記する。また、スポーツ関係(1分13秒(大会新)、背番号23、8三振)や機種(のぞみ2​2​7号、B​29爆撃機、ボーイング7​6​7)、道路番号(国道20号線、ルート66)、その他9ポ四分アキ、第2四半期など、慣用や漢数字と重なって紛らわしいときなどは、漢数字を主に使用する方針の場合でも、アラビア数字を使用することがある。

 ちなみに、横組は基本的には欧文・数字を多く用いることから、アラビア数字を用いるのが一般的です。
 なお、アラビア数字を用いる場合でも、以下のような例外があります。

①熟語や成句、固有名詞や慣用が固定している語は表記方針に関係なくそのまま使用する。
 例) 十六聖人、五十歩百歩、五・一五事件、十二単衣、十月革命、八十八夜、百発百中など
②特別な場合を除き、大字(壱・弐・参・拾)などは用いない。廿・卅も二十(二〇)・三十(三〇)と書くようにする。
③不確定数は、原則として単位語を用いる(例:数十人 数百メートル 六十余人 三十数万 二十四、五人 七、八百人 十七、八世紀)。一桁の位は二十四五人、三十七八歳のように読点を省くやり方もある。

 ②、③は、漢数字を主に用いる場合でも同様です。
 興味のある方は↓の本を参照してください。

標準 校正必携標準 校正必携
(2011/06)
日本エディタースクール

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 ほぼこの本からの引用です。

行間を読む?・⑦

2014.06.08 22:15|編集・校正
 少し前のことですが、需要(というより、必要)があり、「校正技能検定〈上級〉」という資格を取得しました(民間資格ですが……)。
 そのことと関連して、一昨年、辞書編集の様子を描写した『舟を編む』が本屋大賞に選ばれたり、『校閲ガール』という本が出されたりと、編集や校正などが少し注目されていましたが、校正と校閲を間違えられたり、校正を「間違い探し」と言われたり、広く浅く注目されるのも善し悪しだなと思ったものです……。

 かつては手書き原稿が大半でしたので、作者が手書きした原稿を印刷会社で入力してもらう(活版時代は、原稿に従って活字を拾ってもらう)ために生じる入力ミス(活字の入れ間違い)が多かったのです。
 そのため、校正とは、作者の書いた原稿と、実際に印刷された試し刷り(ゲラ)とを一字一字引き合わせて、原稿と違う部分を探す作業(「引き合わせ校正」)が必要でした。
 ただし現在では手書き原稿はほとんどなく、すでにワープロ機能をもつソフトで入力されたデータが大半なので、引き合わせる元の原稿が作者の頭の中にしかありません。そこで、作者が入力ミスをしていないか、用字・用語の使い分けを間違っていないか、また印刷会社が出版社の指定を間違っていないかどうかを調べる「素読み校正」が、現在の校正の主な作業となっています。
 「引き合わせ校正」が原稿に忠実に赤字(訂正)を入れ、明らかに作者の間違いと思われる箇所には鉛筆で疑問を提出しておくのに対し、「素読み校正」は原稿がありませんので(データをプリントアウトし、出版社がそのうえに指定を入れた原稿はあります)、こちらは「校閲」に近い作業といえます。
 老舗出版社では用字・用語の使い分けにも決まりがあり(出版社ごとの決まりを「ハウスルール」などと呼びます)、括弧の下げ方、ふりがなの付け方にも決まりがあるのですが、新しい出版社はわりとめちゃめちゃだそうです(とはいえ、私はすべての出版社の本を目にしたわけではないので、実際にそうであるのかどうかは何ともいえませんが)。
 ハウスルールは基本的には秘密のようですが、講談社だけはハウスルールをまとめた本を出版しています(『日本語の正しい表記と用語の辞典』)。
日本語の正しい表記と用語の辞典 第三版日本語の正しい表記と用語の辞典 第三版
(2013/04/24)
講談社校閲局

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 新聞ではかなり用語を厳密に使い分けていて、参考になります。
記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集
(2010/10/27)
一般社団法人 共同通信社 編著

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 ちなみに、括弧の下げ方やふりがなの付け方は「組版ルール」と呼ばれています。括弧類や句読点は「約物(やくもの)」と呼ぶのですが、おもにこれらの処理方法に関するきまりです。
 一番分かりやすいのは行頭の括弧類と、前の行から文章が続いてきた次の行の頭にくる括弧の処理方法。
0608.png
 縦書き(縦組)の本は、基本的にこの3種類です。横書き(横組)の本は、一番右側の組方しかありません(本来は)。一番右側の組方が一番昔からある方式で、岩波ルールなどと呼ばれているそうです。一番左側の組方は、少し? 前の本の組方です(機械の処理方法の関係で、一番左側の方法しかできなかったそうです)。ある程度新しい岩波新書などは、一番右の方法で処理されているはず。
 私もいわゆる「岩波ルール」の校正を教わりましたが、今一番 この「組版ルール」が美しいのは新潮社だそうで、新潮社はこの「組版ルール」のデータを公開しています(このページからダウンロードできます→http://www.adobe.com/jp/jos/designmagazine/howto.html。ただし、使用するには本を組版するためのInDesignというアプリケーションソフトが必要ですが)。

 ……何だかいろいろ詰め込みすぎて、長くなってしまいました。
 本の内容も大切ですが、誤字脱字、用語の使い分け、組版ルールなど、そういう部分もきっちりしていてこその「良い本」だなあと思っています。
 ……ただしそういう目でばかり見ていると、雑誌は組版ルールがずさん過ぎて、本当に読めなくなります……。

書体のこと・② 古き良き書体

2014.04.29 23:31|編集・校正
 以前書いた記事に、日本における金属活字印刷技術を確立した本木昌造について少し載せました。
 本木昌造が門弟の小幡正蔵と平野富二を派遣して設立させた長崎新塾出張活版製造所がのちに東京築地活版となるのですが、この東京築地活版で用いられていた書体を書体にして配布しているサイトがあります。古い活字書体をフォント化するプロジェクトのサイトで、「Gutenberg Labo」というサイトです。
 築地活版の書体だけでなく、ケルトのルーン文字や、シャーロック・ホームズに登場する「踊る人形」の書体なども公開されています。築地活版の書体は、古い本で誰もが一度は見かけたことのある美しい書体です。
 日本語はその文字数が多く、一つの印刷所につき明朝体とゴシック体を一種類ずつ、文字の大きさ(号もしくはポイント)だけ変えた活字を保有していたようです(つまり、印刷所ごとに異なる書体を持っていたということになります)。有名な印刷所の書体に、大日本印刷の書体、精興社の書体などがありますが、この築地活版の書体もそれらに負けず劣らず美しい書体。私もぜひ、この美しい書体をどこかで使ってみたいものです。

書体のこと・①

2014.04.22 21:00|編集・校正
 本を読むにあたり、「書体」(いわゆる「フォント」)が大事だなあ……と思う今日この頃。
 最も多く用いられる「明朝体」にもさまざまな種類がありますし、明朝体に次いで多く用いられる「ゴシック体」も多種多様。作者が違っても体裁が同じ文庫本や新書本は、出版社ごとに書体が決まっているケースが多く、たとえば講談社の文庫本は、現在ではすべてDTPで製作しているためかヒラギノ明朝で統一されています。ちなみに、ヒラギノ明朝は、Macを購入した時点でインストールされている書体なので、Macユーザーに一番馴染みのある書体だと思われます。Adobeの製品を購入すると「小塚明朝」と「小塚ゴシック」がインストールできるので、こちらも色々なところで見かけます。
 それはともかく、書籍や雑誌以外のWebサイトでも書体は大事だと思うのですが、閲覧している人のPCにその書体が入っていなければ、その書体で表示されることはない。なので以前は、タイトルやコンテンツの文字は画像化して使っていました。
 それが現在は、「Webフォント」というものの存在のおかげで、閲覧者がそのフォントを持っていなくても、そのフォントでWebページを表示できるようになっています。日本語は有料のものが多いうえに文字数が多く表示時間がかかりますが、代表的な書体製作会社であるモリサワもそのサービスを行っているので、リンクを貼っておきます。
 
 TypeSquare:http://typesquare.com/

 個人的な見解かもしれませんが、書籍で一番多く見かけるのがこちらのモリサワの「リュウミン」という明朝体。というより、町中を歩いていても、モリサワの作った書体を一番見かけることが多いです(たとえば、JRや東京メトロの駅名表示は、このモリサワの出している「新ゴ」という書体のようです)。
 ほかにも、和文書体なら「もじでぱ」、「デコもじ」、「FONTPLUS」、「amanaimages」など。欧文書体だと「Google Fonts」、アイコンフォントなら「Font Awesome」。
 色々あるので、少しずつ試してみようかと思っています。
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