FC2ブログ

数にまつわる話①

2016.01.29 20:29|ことば
 以前、別のブログに載せていた記事の再掲です。

●以前、『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』(柳谷晃、青春出版社、2009年)という本を読みました。
 織田信長が好んだことで有名な幸若舞「敦盛」の「人間五十年、下天のうちをくらぶれば……」という一節がありますが、この50年というのは、戦国時代の平均寿命のことではなく、「人間界での50年分が下天(天界の最下層)に住む天人にとって1日に当たる」ということからきているとありました。
 戦国時代の平均寿命はおよそ16歳くらいとされていて、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは、第二次世界大戦以降のことだそうです(子どもの死亡率が高かったため。現在でも七五三のお祝いをするのは、童謡「とおりゃんせ」にもみられるように、日本に古くから「七つまでは神のうち」という考えがあったためといわれています)。
 この本には、他にも数にまつわる日本の文化や風習の由来についての紹介が載せられています。
 例えば、除夜の鐘の打たれる回数・108は、人間の煩悩の数とされていますが(十二か月と二十四節気と七十二侯を合わせた数という説もあります)、この内訳についても書かれています。これは「六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)の6つの感覚器官それぞれが「三不同」(好、平、悪)の三つの感じ方をし、その感じ方の程度が「染と浄」の2つに分かれ、これらが「三世」(現在・過去・未来)にわたって人を悩ませるということから、6×3×2×3で108、となるのだそうです。
●サンスクリット語で「揺らぐ」を意味する「ピル(pil)」が変化して、ギリシャ語の「プシュケー」、フランス語の「パピヨン」、英語の「フライ(バタフライ)」になったのだそうです(余談ですが、私たちが使っている「フロッピー」も、この「ピル」からきているそうです)。
 サンスクリット語は梵語と呼ばれ、現在でも主に仏教用語などで用いられていますが(奈落、卒塔婆など。その他、日常的に用いられているものとしては、卒塔婆から変化した「塔」や、「鉢」などがあります)、世界の言語の起源はサンスクリット語にあるのだという説もあるそうです。
 サンスクリット語は仏教用語となっていることからも分かるように、もとはインドの言語。そのインドで生まれたのがゼロの概念ですが、このゼロという言葉ももとはサンスクリット語からきているそうです。
 サンスクリット語で「空(から・くう。色即是空の空でもあります)」を意味する語がスニヤ(sunya)。それがアラビアでシフル(sifr)となり、さらにラテン語でゼフィラム(zephirum)となりました。そして最後にイタリア語でゼフィロ(zerifo)となり、それが短縮されてゼロになったそうです。
 ちなみに、言語の上では英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語などは同じインド・ヨーロッパ語族に属しており、サンスクリット語ともとは源を同じくする言語であったと考えられているようです。
 サンスクリット語は、現在では死語となっていますが、『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』などインドの国民的叙事詩はサンスクリット語で書かれています。『マハーバーラタ』の一詩篇である『バガヴァッド・ギーター』は宗教・哲学的教訓詩で、現在でもヒンドゥー教徒の聖典です。

【参考】
 柳谷晃『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』(青春出版社、2009年)
 飯倉晴武『日本人のしきたり』(青春出版社、2003年)
 中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』(新潮社、2008年)
 日本雑学研究会『誰かについしゃべりたくなる話のネタ・雑学の本』(幻冬舎、2000年)
スポンサーサイト



テーマ:ことば
ジャンル:学問・文化・芸術

やまとことば①

2016.01.26 19:15|ことば
 かつて、『遠野物語』などで知られる民俗学者・柳田国男が「どんな字病」ほど恐ろしい病気はない、と言っていたそうです。
 漢字は現在の日本語になくてはならないものですが、もともとは中国から輸入されたことばであり、かつ、現在の中国語とはかなり異なっている部分があるということも、忘れてはいけないと思います。

 現在日本で用いられている漢字は、中国からもたらされたものです。日本に輸入されたそのその漢字は、もともと日本にあった固有のことば(やまとことば)と、中国での発音とを持つようになりました。
 「山」を例と、日本固有の読み方は「やま」で、中国での読み方は「サン」でした。ただ、時代の変化とともに中国で用いられていたそのことばの読み方が変わり、漢の時代の読み方である漢音と、呉の時代の読み方である呉音とができました。余談ですが、遣唐使・吉備真備に連れられ日本を訪れた袁晋卿という人物が、呉音を漢音に改め、片仮名を作ったという伝説もあります。
 ともあれ、漢字に与えられた日本古来の読み方が訓読みで、中国での読み方に近い音が音読みだと、おおよそはいうことができるようです。
 漢文は平安時代には「真名」と呼ばれ、主に貴族の男性が公文書などを記すのに用いていました(「真名」と反対に女性が用いていたのが「仮名」で、これが現在の平仮名・片仮名となりました)。漢字が日本に輸入された際、やまとことばは中国語より母音が少ないため、同音語が多くなりました。その結果、漢語は硬質な響きをもち、現在でも重厚な文章を書く場合に多く用いられているようです。
 私たちの祖先は、輸入されたことばである漢字にやまとことばを当てはめ巧みに用いましたが、すべての漢字がやまとことばに対応していたわけではありません(やまとことばと漢字の意味が十分に対応する場合、その訓読みを持つ漢字をとくに「正訓字」といっています)。もともと日本になかったものが中国から輸入された場合には、漢字の読みがそのまま日本語のように定着してしまうこともあったようです。その代表例が「菊」で、これはもともと漢字のククもしくはキクが変化して、現在日本で「キク」と呼ばれるようになりました。ヒグマという語についても、「羆」という漢字が四とクマ(熊)なのでシグマ、シの子音が変化してヒグマになったのだという説があります。そのほか、「銭」はセンが変化して「ゼニ」に、「縁」はエンが変化して「えに」となり、更に強調の「し」がついて「エニシ」になったともいわれています。
 先に、「日本古来の読み方が訓読み」と書きましたが、「むぎ」ということばはもとは中国での読み「バク」が変化したものといい(子音b音とm音とは、同じ両唇音なのでしばし交替することがありました。特に旧い呉音が新しい漢音となる際に、b音がm音に変わるということが多くあったようです)、必ずしも訓読み=やまとことば、とは言い切れない部分もあります。
 また、輸入された中国語がもともとあったやまとことばを駆逐してしまった例もあるようです。例えば「肉」。日本では「しし」(イノシシなどのシシ)であったものが、「ニク」に取って代わられました。「脳」も旧くは「なづ(ず)き」、「地震」は「なゐ」(のちに「なゑ」)といっていましたが、現在ではこれらのことばは、方言や固有名詞に残るだけとなっているようです。

【参考文献】
 笹原宏之『訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語』(光文社、2008年)
 中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』(新潮社、2008年)

テーマ:ことば
ジャンル:学問・文化・芸術

東京の神社に行ってきました

2016.01.23 21:58|旅行
 山王日枝神社と山王稲荷神社、湯島天神、神田明神、富岡八幡宮 に行ってまいりました。
 江戸三大祭の一つ・山王祭が開かれることで知られる、由緒ある山王日枝神社。とはいえ、何年か前に不祥事が起きたりもしているようですが……。
 平日に行ったのですが、立地のためかなかなか混んでいました。

2016012301.jpg

 山王稲荷神社の鳥居。

2016012302.jpg

 今年は資格試験を受ける予定ですので、合格祈願のため湯島天神に。
 センター試験の数日前でしたので、絵馬がすごいことになっていました。資格勝得お守りと鉛筆を買ってまいりました。

2016012303.jpg

 江戸三大祭つながりではありませんが、神田明神と富岡八幡宮にも行ってまいりました。

2016012304.jpg

2016012305.jpg

 おみくじを引いた結果は、小吉(山王日枝神社)、大吉(湯島天神)、大吉(神田明神)、小吉(富岡八幡宮) でした。湯島天神で大吉を引いたので、資格試験も安泰かも……?
 富岡八幡宮で引いたおみくじに、「己の升(ます)をもって人の穀物をはかるな」ということわざが書いてあったのが印象的でした。自分に言い聞かせて戒めたいことばです。
 最後に、山王稲荷神社で見つけた椿の花の写真を。

2016012306.jpg

テーマ:神社めぐり
ジャンル:旅行

サイトインデックスの画像

2016.01.20 19:08|雑記
 サイトを改装してからずっと桜のイラスト画像を使っていましたが、去年の夏に「さすがに、夏に桜は……」と思い、夏らしいイラストを作っていました。
 もっとも、結局使わずお蔵入りになったのですが……。

20160120.png

 サイト全体の色も、青にするつもりでした。
 現在のインデックスページの画像は「極楽」のイメージなので、季節ごとに画像を変えるかは分かりませんが、少しずつ修正はしていきたいと思います。……バナーとか……。

テーマ:ブログ
ジャンル:ブログ

壁紙(花①)

2016.01.17 19:20|素材
 和風素材サイトの運営者ですが、和風以外の素材もたまに作ります。
 サイト上にもそのうちページを作って配布したいと思います。

flower001.png flower002.pngflower003.png

テーマ:WEB素材
ジャンル:コンピュータ

藪入

2016.01.16 19:02|四季おりおり
 1月16日は藪入。今ではもう完全に廃れてしまいましたが、時代劇などではお馴染みのことばです。
 かつて使用人が自由に外出できたのは、1月とお盆の16日だけ。この2日間だけは、休暇をもらって生家に帰ることができたため、とても楽しみな日だったといいます。

テーマ:日本文化
ジャンル:学問・文化・芸術

家紋の話③(信仰的家紋)

2016.01.13 19:53|日本のもの・こと
 「家紋の話①」で触れたように、天満宮(菅原道真を祀る)は梅の花が社紋となっています。
 このほかにも、日吉信仰は猿紋、八幡信仰は鳩紋、春日信仰は鹿紋、稲荷信仰は狐紋、熊野信仰は烏紋など、信仰する動物にまつわる家紋も多くあります。植物紋も例があり、徳川で有名な葵紋は、もとは賀茂信仰で神草の葵を家紋としたのが始まりだといいます。
 神社にまつわる由来と社紋とを考えてみるのも、また楽しいかもしれません。

テーマ:日本文化
ジャンル:学問・文化・芸術

家紋の話②(氏・姓)

2016.01.10 20:34|日本のもの・こと
 家紋と切っても切り離せない氏姓。「氏姓」とまとめていっていますが、「氏」はもともと、血縁関係にない者までも含んだ古代の豪族のことを指し(代表的なものが中臣氏、大伴氏など)、その族長を「氏上(うじがみ)」と呼んでいました。そのうち、勲功にあった氏上に与えられたのが「姓(かばね)」でした(代表的なものが臣(おみ)、連(むらじ)など)。
 時代が下るにつれて氏と姓が混同されたり、とくに武士が、自分が有力な一族に連なることを主張するために有名な姓を名乗ったりしたことから、氏姓の区別がだんだん曖昧になっていったようです。
 さらに、有力貴族であった藤原の子孫を名乗る武士などが増え、みなが「藤原」を名乗っているのでは区別がつけにくいということで、自分が住んでいる場所や役職から「名字」が生まれていったようです。
 ちなみに、上記のように有力氏族の末裔を名乗る者が多くなりましたが、その氏族の出身であることを象徴するための手段の一つに「家紋」があったことから、数多くの家紋の意匠が生み出されていったといいます。逆にいえば、(すべてがそうというわけではありませんが、)シンプルな意匠の家紋のほうが、昔からある古い家紋であり、血脈としても古いのではないか……と考えられるようです。

 参考:能坂利雄『家紋を読む ルーツと秘密を解き明かす』(KKベストセラーズ、2004年)、田中宣一『名づけの民俗学 地名・人名はどう命名されてきたか』(吉川弘文館、2014年)

テーマ:日本文化
ジャンル:学問・文化・芸術

家紋の話①(六文銭・丸に十・梅鉢)

2016.01.09 18:54|日本のもの・こと
 もうすぐ大河ドラマ「真田丸」が始まりますね。
 真田といえば赤備えと、六文銭の家紋。とくに六文銭は、長野県上田市のいたるところで見られますし、モチーフにした「ろくもん」という電車も走っています。
 「六文銭」の家紋は、六文銭が三途の川の渡し賃であることから、「いつでも三途の川を渡れる不惜身命の心意気」を表した家紋といわれます。
 ほかにも有名な家紋は数多くありますが、島津家(薩摩藩)の家紋として有名な「丸に十」は、サツマイモの別名としても用いられます。この家紋は、古く十字信仰というものがあり、そこからとった家紋といわれています。
 今は受験生でにぎわう天満宮の社紋は「梅鉢紋」。前田家(加賀藩)の家紋としても知られます。
 天神様で知られる菅原道真が梅を愛していたことから(=「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘るな」『拾遺和歌集』)、「梅鉢紋」は天神信仰と関連がある家紋といわれます。なお、前田家と遠い血縁関係があるといわれる藤原利仁が熱心な天神信仰をおこなっていたことから、前田家で梅鉢紋が用いられるようになったという見解があるようです。

テーマ:日本文化
ジャンル:学問・文化・芸術

| 2016.01 |
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
カレンダー

12 | 2016/01 | 02
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

QRコード

QR

ページトップへ