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行間を読む?・⑤

 「行う」か「行なう」か、「現す」か「現わす」か……。本を読んでいると、送り仮名の付け方はさまざまあります。
 送り仮名は、漢文訓読で用いられる「捨て仮名」から発生したといわれます。公式の文書は長い間 漢文または漢文読み下し式の文章が用いられていたので、古くはあまり送らない(付けない)のが普通だったようです。
 ですが、明治時代に教科書などの編集上この送り仮名を統一しようとする運動が起こり、国語調査委員会が『送仮名法』を作ったさい(1907年)、それまでの「送り仮名はあまり付けないほうが良い」という考えから、次第に「漢字は文章を読みやすくするための借り物なので、送り仮名をつけても良い」という考えになっていったようです。このように「送り仮名をつけても良い」という考えが広まったのは、しだいに口語文が普及するにつれ送り仮名が多く用いられるようになったためのようです。
 この考えを受け、第二次世界大戦後、複数ある送り仮名の基準を統一するため、1957年『送りがなのつけ方』が内閣告示されました。ただし、このときの送り仮名法は「送りすぎ」という指摘がなされ、1973年に『送り仮名の付け方』が公布されました。
 つまり、1957年の『送りがなのつけ方』では「行なう」「現わす」と送り仮名を付けられていたものが、1973年の『送り仮名の付け方』で「行う」「現す」となったわけです。なので、1973年以前に学校で教育を受けた方は、「行なう」「現わす」のほうが馴染みがある、ということになります。
 とはいえ「行なう」「現わす」が間違いというわけではなく、本則は「行う」「現す」、許容が「行なう」「現わす」というふうに現在は考えられていますが、小・中・高校では、原則として本則が用いられ、小学校では許容は取り扱わない、という方針となっています。つまり現行の教科書では、「行う」「現す」が原則として用いられている、ということになります。

※ ちなみに、教科書などを除き、一般的には一冊の本の中で送り仮名の付け方が統一されていれば問題ありませんが、記述に厳密さが求められるような内容の本や文章を書きたいという場合は、WindowsなどではIME設定を変えておくのがおすすめです。
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