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近況など

 ことのは「名前」がまだ途中ですが、「方言」を先に更新しました。
 本当は「方言」の前に「場所」という項目を入れる予定でした。ここでは地名のほか、特定の場所(山や海)でだけ用いられる忌み言葉についてや、「異界」について記すつもりでしたが、まだまだまとめきれそうにないので先送りにします。
 少し書いておきますと、

○「里山」ということばがあるように、里と山とはほんらい別世界、対立することばだった。
 「里」は、人の暮らす世界(サは神聖を表す接頭辞、トは処の意)のことを表していた。
 「山」は、死者が住む世界(黄泉)からきているのだとする説や「闇」からきているのだとする説があり、山がどのようにとらえられていたのかうかがえる。
 →昔話ですずめのお宿があり、天狗がいて、中国の伝説で桃源郷があったのは「山」(かつて山は異界であったので、山で修行をしていた修験者の姿が見本となって、現在私たちの知る天狗の姿が生まれた)。
○日本だけでなく色々な場所で、山と、そして海とは「別世界」ととらえられていた。海を他界とする例には、浦島太郎に登場する竜宮城、沖縄のニライカナイなどがある。山や海は別世界だとする考えは、それぞれ「山上他界観」「海上他界観」などと呼ばれる。
○山や海は私たちの住む世界とは違う「別世界」であり、それぞれを治める神様がいらっしゃった。そのため、神様に対し失礼にあたらないよう、猟師・漁師は、「忌み言葉」というものを使っていた。
 たとえば、山では〈ヤマイヌ〉のことを「大神」と呼んだ(ほんらい〈ヤマイヌ〉の忌み言葉が「大神」だったが、後にそれは〈ヤマイヌ〉そのものの名前とされた)。
○土地の区切りのことを「境」という。『古事記』『日本書紀』で、イザナキと、黄泉の国の住人となったイザナミが別れた場所を黄泉比良坂という。坂が合うところがサカアヒ=サカヒである。
○村境や辻・峠などに多く見られる道祖神(サエ(塞・幸)の神とも呼ばれる)は外来の悪霊を遮る神とされるが、これはつまり、村境や辻・峠がかつての「境界」であったためである。
○「橋」も境界の一つと考えられていた。橋という語は「端」と関わりがある。よく、幽霊が柳の下に佇む絵があるが、柳は水辺、つまり橋のたもとに植えられることが多くあったので、境界である「橋」と深く関わりがある柳の下に幽霊が佇むようになったといわれる。

 ……など。
 民俗学の分野でこの「境界」がかなり大きく取り扱われていて興味深いです。
 とくに、時刻の境目である「逢魔が時」や、場所の境目である「辻」や「橋」、「峠」に妖怪が現れるのは、そこがすべて何らかの「境目」であるから、のようです。
 この妖怪についても、零落した神であるとか、まつろわぬ民の姿であるとか、色々な見方があって面白いのですが……これについてもまたいずれ。
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