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数にまつわる話①

 以前、別のブログに載せていた記事の再掲です。

●以前、『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』(柳谷晃、青春出版社、2009年)という本を読みました。
 織田信長が好んだことで有名な幸若舞「敦盛」の「人間五十年、下天のうちをくらぶれば……」という一節がありますが、この50年というのは、戦国時代の平均寿命のことではなく、「人間界での50年分が下天(天界の最下層)に住む天人にとって1日に当たる」ということからきているとありました。
 戦国時代の平均寿命はおよそ16歳くらいとされていて、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは、第二次世界大戦以降のことだそうです(子どもの死亡率が高かったため。現在でも七五三のお祝いをするのは、童謡「とおりゃんせ」にもみられるように、日本に古くから「七つまでは神のうち」という考えがあったためといわれています)。
 この本には、他にも数にまつわる日本の文化や風習の由来についての紹介が載せられています。
 例えば、除夜の鐘の打たれる回数・108は、人間の煩悩の数とされていますが(十二か月と二十四節気と七十二侯を合わせた数という説もあります)、この内訳についても書かれています。これは「六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)の6つの感覚器官それぞれが「三不同」(好、平、悪)の三つの感じ方をし、その感じ方の程度が「染と浄」の2つに分かれ、これらが「三世」(現在・過去・未来)にわたって人を悩ませるということから、6×3×2×3で108、となるのだそうです。
●サンスクリット語で「揺らぐ」を意味する「ピル(pil)」が変化して、ギリシャ語の「プシュケー」、フランス語の「パピヨン」、英語の「フライ(バタフライ)」になったのだそうです(余談ですが、私たちが使っている「フロッピー」も、この「ピル」からきているそうです)。
 サンスクリット語は梵語と呼ばれ、現在でも主に仏教用語などで用いられていますが(奈落、卒塔婆など。その他、日常的に用いられているものとしては、卒塔婆から変化した「塔」や、「鉢」などがあります)、世界の言語の起源はサンスクリット語にあるのだという説もあるそうです。
 サンスクリット語は仏教用語となっていることからも分かるように、もとはインドの言語。そのインドで生まれたのがゼロの概念ですが、このゼロという言葉ももとはサンスクリット語からきているそうです。
 サンスクリット語で「空(から・くう。色即是空の空でもあります)」を意味する語がスニヤ(sunya)。それがアラビアでシフル(sifr)となり、さらにラテン語でゼフィラム(zephirum)となりました。そして最後にイタリア語でゼフィロ(zerifo)となり、それが短縮されてゼロになったそうです。
 ちなみに、言語の上では英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語などは同じインド・ヨーロッパ語族に属しており、サンスクリット語ともとは源を同じくする言語であったと考えられているようです。
 サンスクリット語は、現在では死語となっていますが、『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』などインドの国民的叙事詩はサンスクリット語で書かれています。『マハーバーラタ』の一詩篇である『バガヴァッド・ギーター』は宗教・哲学的教訓詩で、現在でもヒンドゥー教徒の聖典です。

【参考】
 柳谷晃『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』(青春出版社、2009年)
 飯倉晴武『日本人のしきたり』(青春出版社、2003年)
 中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』(新潮社、2008年)
 日本雑学研究会『誰かについしゃべりたくなる話のネタ・雑学の本』(幻冬舎、2000年)
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