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宅建について・1:宅地建物取引士とは?

 どの町にも必ず1つはあるであろう「不動産屋」さん。ですが、不動産業を営むには、免許が必要だということはご存じでしょうか。
 不動産とは土地・建物を指します(ちなみに、不動産以外のものは「動産」といいます)。不動産の売買は、多くの人にとっては一生に一度あるかないかの出来事なので、不動産業を営む会社は、必ず「宅地建物取引業」の免許をとらなければいけません(国・地方公共団体などには、例外もあります)。
 不動産屋さんに行くと、どのお店にも必ず、「○○知事免許(△)××××号」のような免許証番号の書かれたものがあります。不動産業者は、都道府県知事(複数の都道府県に事務所がある場合は、国土交通大臣)の免許を受けなければならないのです。なお、(△)の部分には数字が入りますが、これは免許が更新された回数を表します(免許の更新は5年ごと)。なので、この数字が大きいほど、長く営業されている不動産会社さんだということができます。
 これ以外にも、不動産業を営むうえで、欠かせないものがあります。それが「宅地建物取引士」の存在です。
 不動産業者は、基本的にはその事務所に、従業員の5人につき1人以上の、専任の宅地建物取引士を置かなければならないことになっています。「基本的に」というのは、「案内所」と呼ばれる出張所のような場所には、従業員数にかかわりなく、1人以上の専任の取引士を置けばよいという規定になっているためです。

 不動産の売買・賃貸に大きな関わりがある「宅地建物取引業」は、昭和27年に制定されました。
 そのときは、手数料を納めれば誰でも宅建業者(不動産業者)として登録できましたが、それではさすがに問題があるということで、昭和32年に法が改正され、事務所ごとに1名以上の宅地建物取引士(そのときは宅地建物取引員と呼ばれていました)の設置が義務づけられました。
 その後、「宅地建物取引員」という名称から「宅地建物取引主任者」(昭和39年)となり、平成26年に「宅地建物取引士」に名称が改められました。設置義務のある宅地建物取引士数も増え、昭和63年に「従業者5名に1名以上」となったのです。

 では、宅地建物取引士には一体 何ができる(何をする)のでしょうか?
 宅地建物取引士にしかできない業務に、「重要事項説明書に記名・押印する」、「重要事項説明書を説明する」、「契約書に記名・押印する」の3つの業務があります。
 アパートやマンションを借りたり、また、土地や建物を買われた方はご経験があるかと思いますが、不動産を借りたり、買ったりするさいには、「重要事項説明書」という書面の交付を受け、さらにその説明を受け、契約書にサインしなければなりません。
 「重要事項」とは、その名の通り、契約の判断材料となるもので、土地の売買であればその所有者は誰か、面積はどのくらいか、地目(宅地・雑種地など)は何かなどを説明したものです。その説明を受け、そのうえで契約をするようであれば、契約書に記名・押印します。
 そのため、必ず契約書に記名・押印する前に重要事項の説明を受けなければなりません(実際の契約のさいには、重要事項の説明を受け、そのまま契約書に記名・押印する、ということが多いです)。なお、重要事項の説明は、とくに場所を問わず、どこで行ってもよいことになっています。
 とくに不動産の購入など、一生に一度、あるかないかの契約をするわけですから、それを行う宅地建物取引士には、多くの知識が求められることになります。
 とはいえ、宅地建物取引士試験は、実務に必要とされる以上の知識が問われます。平成28年度の合格率は15.4%で、近年はおおむね15%前後で推移しています。
 不動産業者の5名につき1名以上の設置義務があるにもかかわらず、不動産業従事者の合格率があまり伸びないということで、「5問免除」という制度ができました。不動産業に従事している人は、指定の講習を受ければ、宅地建物取引士試験の5問が免除される(宅地建物取引士試験は50点満点ですから、5問免除者は45点満点になります)という制度です。
 (なお、5問免除を受けた方の合格率は、平成28年度の試験で20%。5問免除がないよりはやや高めとなっています)

 以上のように、宅地建物取引士の免許は、不動産会社には必須となっています。一定数の設置義務があるうえに、契約に関わることは、基本的に宅地建物取引士にしかできない仕事だからです。
 そのため、不動産業界へ就職・転職したい方に人気が高く、また、金融業などでも不動産の知識は重宝がられることが多いため、他業種の方でもとっておいて損はない資格です。
 その試験の内容ですが、民法や、不動産賃貸の法律の中心である「借地借家法」、主にマンションついて定めた「区分所有法」、不動産の登記に関わる「不動産登記法」などがまとめて「権利関係」で14点。
 建築業法や土地区画整理法、農地法などについて問われる「法令上の制限」が8点。
 宅地建物取引士試験の中核をなす「宅地建物取引業法(宅建業法)」が20点。
 固定資産税や不動産取得税など、税金にまつわる「税・その他」が3点。
 そして、5問免除の対象となる「5問免除科目」が5点。
 これらが試験科目となっています(50点満点)。
 (つづく)
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