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「仏様のこと」について:余談①

 来月京都に行く目的が、多分に「木造弥勒菩薩半跏像(広隆寺)が見たい」を含んでいるので、弥勒菩薩について色々と調べていました。
 京都に行って実物を拝観したら、特集ページを作りたいくらいに興味深い菩薩様なのですが、取り急ぎ、色々調べて「なるほど」と思ったことや雑感などを記していきたいと思います。

 弥勒菩薩は釈迦如来入滅後、56億7000年経って人間界に生まれ、悟りを得て仏(如来)となる、とされています。
 つまり、現在は修行中の「菩薩」で、その修行が行われているのが「兜率天」。これは、弥勒菩薩以前に如来となった釈迦如来もまた、過去に無数の輪廻を経て、兜率天に昇って修行した後、機が熟して釈迦族の王子として誕生した──という説話があるためです。
 お釈迦様が菩提樹の下で悟りを開いたように、弥勒もまた竜華樹の下で悟りを得るとされるなど、釈迦如来の後継者である弥勒の説話は、お釈迦様のそれとよく似ています。また、釈迦如来や弥勒如来(菩薩)などの例から、兜率天はとくに次に如来となる菩薩(補処の菩薩)が修行する場所であるとされているようです。
 「六道輪廻」という言葉がありますが、この「六道」は下から「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」「修羅界」「人間界」「天上界」となっています。兜率天の存在する「天上界」は、六道の最上位ではありますが、まだ輪廻を繰り返す世界であり、悟りを開き仏陀(如来)となれば、六道に属さない浄土に行くことになります(涅槃、解脱)。
 天上界も何層にも区分されていて、そのうちまだ欲にとらわれた「欲界」の「六欲天」の1つに兜率天があります(ちなみに欲界の天主を「第六天魔王」といいます)。
 宮沢賢治の「永訣の朝」に、「兜率の天の食(じき)」という言葉が出てきます(当初は「天上のアイスクリーム」であったのが、「兜率の天の食」に変更されたようです)。解釈がさまざまあるので、一概に弥勒菩薩と結びつけるわけにもいきませんが、この詩の背景と、弥勒菩薩が今 未来において衆生を救うために修行しているのが兜率天である……ということと考え合わせると、何だかとても意義深く感じられます。
 なお、日本では、弥勒菩薩が修行している兜率天は、阿弥陀如来の極楽浄土同等の「弥勒浄土」とされるようになったようです。
 顕教では、東方が薬師如来の瑠璃光浄土、西方が阿弥陀如来の極楽浄土(いわゆる西方浄土)、北方が釈迦如来の浄土、南方が弥勒浄土とされているそうです。とはいえ、浄土(仏国土)は、仏の数だけあるそうですが……。私個人としては、北方と南方で、釈迦如来とその後継者である弥勒如来が向かい合う形になるのが興味深いと思います。なお、この四方四仏は、時代が下ったり、密教になると、違う仏様たちになるようです。
 ちなみに、兜率天での1日は人間界での400年に相当し、兜率天の住民の寿命は4000年あるとされているそうです。1年を360日とすると、400年×360日×4000年=5億7600万年。
 弥勒が下生するとされる56億7000年とは桁数が違いますが、もしかしたら兜率天での1日が400年で……ということから、56億7000年などの数字が出されていったのかもしれません。

 参考:石上善応『弥勒菩薩 永遠の明日』(株式会社創美社、1987年)、田中義恭・星山晋也『目でみる仏像 完全普及版』(株式会社東京美術、2000年)
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