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時間を表すことばについて

ことのは
05 /28 2020
 また日本の古くからの習俗等についてぼちぼち調べています。
 日本語について調べるには、スマホアプリの『精選版 日本国語大辞典』がおすすめです。以前は本のタイプのものを購入しようと思ったのですが、いかんせん、価格が……。語源や用例も豊富で、類語との比較も詳細でとてもよいです。
 そんなわけで(?)時間を表すことばについて。

 上代では、明るい時間帯はアサ→ヒル→ユフ、夜の時間帯はユフベ→ヨヒ→ヨナカ→アカツキ(アカトキ)→アシタとしていました。昼と夜の境であるユフとユフベはほぼ同じように用いられましたが、ヨナカとアカトキの境がおおよそ丑の刻(午前2時頃)と寅の刻(午前4時頃)であり、この時間帯が上代では日付変更の時間と考えられていました。
 日付の変更はヨナカ・アカトキですが、昼の世界が始まるのはアシタ・アサ。アシタもアサも同じ時間帯を指しますが、アシタが夜に属し、アサが昼に接していると考えられます(多田一臣編『万葉語誌』株式会社筑摩書房、2014年)。アシタ・アサの関係はユフベ・ユフの関係と対応しており、ユフは明るい時間の終わり、ユフベは夜の始まりという意味合いが強いようです。
 現在では夜が明けて明るくなった時間帯はアサといいますが、複合語(朝日・朝霧・朝夕など)として用いられることが多く、逆にアシタは単独語としての使用が通常でした。アサが明るい時間帯の始まりであるのに対し、アシタは暗い時間帯の終わりという意味合いが強かったことから、前夜を受けての「翌朝」という意味合いで用いられるようになり、それがある日から見た「翌日」、さらに今日から見た翌日──明日という意味になったとされています。
 中古以後「アカトキ」は「アカツキ」に転じ、夜が明ける一歩手前の頃である「シノノメ」と、空が薄明るくなる頃をいう「アケボノ」ができたため、アカツキはこれらと混同されるようになっていきました。「アケボノ」といえば、『枕草子』で有名な「春はあけぼの……」以降春との結びつきが多くなり、ほぼ同じ時間の明るさを表す「アサボラケ」は、秋冬との結びつきが多いようです。
 「シノノメ」は「アケボノ」よりもやや暗い頃をいい、中古以降には「しののめの別れ」「しののめの道」など、主として相愛の男女の別れを詠むのに用いられています。この頃になると、共寝した男女が別れ、男性が女性の家から帰らなければならなかったからでしょう(後朝(きぬぎぬ)の別れ)。

 また調べ次第追記します!
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